今年も教員採用試験本番まであと数ヶ月となりました。試験を受ける方の中には「仕事でなかなか勉強の時間が割けない」、「受けることを決意したのがつい最近!」など、様々な状況の中で正直まだ満足に準備できていない方もいらっしゃるかと思います。限られた時間の中で、いかに効率よく学習し力をつけていくか。そのヒントをご紹介したいと思います。
まずは過去問を解いてみる
どの指南書やネット情報にも書いてあるかと思いますが、まずは一旦過去問を解いてみましょう。頻出の問題のチャートを確認して、その部分の学習から始めることもできますが、
どのように問題が出題され、内容がどんなものなのか、体感として得ておくことがとても重要です。例えば、最近の東京都の試験は「こんなに資料や図が沢山出ているのか!資料を理解するだけでも結構時間がかかるな…」と発見があるかもしれません。これは、チャートからでは得られない「体感」です。時間が迫っているからこそ、やみくもに勉強するよりも、しっかりと相手(試験)の特徴を知って、自分なりの「傾向と対策」を練り、特徴をうまく攻略できるよう考えて学習を始めましょう。
参考書で学習を深め、さらにもうひとエッセンスを追加!!
過去問でおおまかなイメージをつかんだら、今度は身近に手に入る参考書等で知識を深めていきましょう。教職教養の範囲は、教育原理(教育課程、学習指導要領の内容など)、教育史、教育法規、教育心理と多岐に渡ります。私は、書店で「教職教養らくらくマスター(実務教育出版)」を購入し、教職教養を勉強する際に常に使用していました。赤と黒の2色刷りでわかりやすく、赤シートで消して暗記にも使っていました。過去問の解き直しの際にも、ぱっと確認するのにとても重宝していました。教職教養の学習に本腰を入れたのは試験2ヶ月前でしたが(←一度目の受験で失敗した反省を踏まえて。後日お話します。)、2ヶ月でも本の中がマーカーでびっしりになりました。それだけ要点がしっかりまとまっています。
話を戻して。先ほど教職教養の範囲を羅列しました。確かに参考書の内容は先の通りなのですが、実際のテストでは、上記以外の内容も出題されるのです。それは、自治体独自の教育施策についてです。例えば、昨年(H29年度)の東京都の教職教養の試験では、『「東京都教育施策大綱~東京の輝く未来を創造する教育の実現に向けて~」(平成₂₉年 ₁ 月)に 示された「東京の将来像と目指すべき子供たちの姿」に関する記述』について出題されています。
「東京都教育施策大綱」…果たして、どうすれば事前に目を通しておくことが出来るでしょうか??
自治体のホームページを熟読するべし!!
「東京都教育施策大綱」は、東京都教育委員会のHPに掲載されています。しかも、トップページに大きくアイコンが表示され、すぐに内容に飛べるようになっています。
自治体のホームページに載っていることは、その自治体が今、力を入れていること。したがって、自治体は「力を入れていることをしっかりと理解している人に合格して欲しい」ため、試験にも頻出となるのです。
ちなみに、東京都のHPのトップページには「教育施策大綱・教育ビジョン・主要施策」「学力向上」「グローバル人材の育成」「東京都オリンピック・パラリンピック教育」「学校体育・部活動」「いじめ防止などの対策」「ネット・携帯電話」などのアイコンが並びます。これらは、教職教養に出題される可能性が高いだけではなく、論作文の課題にもなり得るテーマです。是非HPの内容を熟読すると共に、その周辺知識を得られるよう疑問に思ったことは調べ、内容を自分のものにしましょう。筆者自身も、試験当日の朝、要点の最終確認をするために、HPをざっと読んでから試験会場へ向かいました。忙しい方こそ、電車通勤の合間に確認するなどして、うまく活用していただきたいツールです。
補足となりますが、もう一つ東京都を受験する方にお薦めしたいのが、教育長の「年頭所感」です。教育委員会を代表する教育長自身が、その年に注力したいテーマを挙げ、それについて方針や考えを述べています。つまり、教育委員会が今後注力していくことですので、教員採用試験に何らかの形で出題される可能性が高いテーマがピックアップされていると思って良いでしょう。現在、HP上では見られないようですが、都庁で配布されている「教育庁報」の年明け第1号に掲載されています。機会を作れる方は、是非都庁へ行って「教育庁報」をゲットしてください。実際に足を運ぶと、他にも何か試験に役立つお宝がゲットできるかもしれませんね。
以上、教職教養を効率よく身につけるための勉強法をお伝えしました。「過去問を解く→参考書で調べる」を繰り返して出題内容やその周辺知識も身につけながら、ホームページを熟読して受験する自治体の教育に誰より詳しくなって当日に臨みましょう!!